おやこCANトップ > 特集:もしもかかってしまったら 冬の感染症対応講座

2 今すぐできる!感染症予防

家族全員が感染症にかからずに、冬を乗り越えられるのがいちばんです。
そのためには日ごろの予防が第一! 「知っているつもり」の予防法を、再確認しておきましょう。

手洗い・うがいをする手洗い・うがいイラスト

 外から帰ってきたら、手洗いとうがいをするよう習慣付けましょう。うがいには、口やのどに付着したほこりなどを洗い流す役割があります。また、のどの粘膜の潤いを保って、感染しにくい状態にする効果もあります。

予防接種予防接種イラスト

 インフルエンザ以外にも、ロタウイルスのワクチンが、2011年から認可されています。
 インフルエンザワクチンは、感染予防や重症化予防の効果があります。卵アレルギーが強い場合は受けられません。かかりつけ医と相談し、十分な説明を受けてから接種しましょう。
 ロタウイルスのワクチンは、赤ちゃんの感染予防のための飲むワクチンです。生後14週までに開始し、4週間隔で、生後24週までに2回、あるいは32週までに3回接種します。WHO(世界保健機関)ではロタウイルスのワクチン接種を勧めています。

マスクをする マスクイラスト

 鼻、口、あごを覆うように着け、マスクの上から鼻の両わきを指で押して凹凸に沿うようにします。マスクと顔の間に、できるだけすきまを作らないようにすることが大切です。

 
台所での感染症予防 台所での感染症予防イラスト

 ウイルス性胃腸炎は、特に食品や調理器具を介した二次感染に注意しましょう。
 食品は、中心の温度が85〜90℃の状態で90秒以上加熱します。特に、ノロウイルスの原因食材となりうるカキやアサリなどの二枚貝を扱うときは気を付けましょう。
 まな板や包丁、食器、ふきんなどは、洗剤で洗ったあとに85℃以上で1分以上加熱するか、消毒液にひたして消毒します(消毒液の作り方は「3 素早く確実に! おう吐物の処理と消毒」を参照)。

湿度管理をする湿度管理イラスト

 空気が乾燥すると、ウイルスが飛散しやすくなったり、のどの粘膜が弱くなって感染しやすくなったりします。加湿器などで、湿度を50〜60%に保ちましょう。
ただし、かび防止のため1日1回は換気を。

 

 

3 素早く確実に!おう吐物の処理と消毒

ウイルス性胃腸炎を引き起こすウイルスの中で、ノロウイルスやロタウイルスは、感染力が最も強力です。おう吐したら、まずはこれらのウイルスの感染を疑い、適切な対応をして二次感染を防ぎましょう。

おう吐物を処理する

1.ビニール手袋とマスクを着け、換気のために窓を開ける。

2.おう吐物を新聞紙やペーパータオルで覆い、広げないように包み込んでぬぐい取り、ビニール袋に入れ、口を縛る。
※おう吐物は乾くとウイルスが空気中に浮遊しやすくなるので、乾く前にふき取ることが大切です。

3.おう吐物のあった場所を、消毒液(作り方は下表参照)を染み込ませたペーパータオルでふき取る。

4.2の袋と3のペーパータオル、ビニール手袋、マスクを別のビニール袋に入れ、しっかり口を縛って処分する。

5.石けんで丁寧に手を洗う。

汚れた物を消毒する

 おう吐物の処理が終わったら、おう吐物が飛び散った可能性のある家具や服、布団カバーなども消毒しましょう。
おう吐物は、約1メートルの高さからおう吐した場合、半径2メートル程度に飛び散ります(東京都感染症情報センターの実験より)。

消毒液の作り方

 ノロウイルスの感染力や毒性を完全に失わせるためには、次亜塩素酸ナトリウムを使って消毒します。
次亜塩素酸ナトリウムは薬局やインターネットで購入することができます。家庭にある塩素系漂白剤にも次亜塩素酸ナトリウムが含まれているので、代用できます。

消毒液の作り方

※市販の次亜鉛酸ナトリウム(消毒剤)の場合は、容器の使用法に記載の、用法別に定められた容量で使用してください。
※消毒液を扱うときは、必ず換気を行い、ビニール手袋を着けてください。
※床や取っ手などに消毒剤を使用した場合は、変色したり、さびたりすることがあるので、消毒後に水で洗い流すか、ふき取るようにしてください。
※つけ置き消毒は30分くらいで、その後水でよく洗い流してください。

消毒液が使えないときは……

 色物の洋服やじゅうたんなどの大きなものは、消毒液を使うことができないため、加熱消毒をしましょう。85℃で1分以上が目安です。色物の洋服は、煮沸消毒をするか、スチームアイロンをかけます。じゅうたんや布団は、おう吐物をぬれぞうきんでふき取り、スチームアイロンで蒸気を1分以上当てましょう。