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10月の教育トピック

敏感期

 ちょっと耳なれない言葉ですね。少しのことでも気になるような神経過敏のことではありません。お子さんがいろいろな経験をする際、最も効果的に身につく時期、そして、身についたことがその後の生理的、心理的な成長にもっとも影響を与える時期のことを敏感期または臨界期といいます。

 例として知られているものに「アヴェロンの野生児」の話があります。かいつまんでお話ししますと、1797年頃に南フランスで発見された少年の話です。森の中で発見された(捨て子という説がある)少年は、後に、医者のイタールによって正常な人間にもどすために献身的な教育を受けました。しかしその結果、感覚機能の回復はある程度見られたものの完全な回復にはいたらなかったということです。また、言語に関しては、若干の言葉は獲得したものの、会話にいたっては不可能でした。(もっとも200年以上前の話で、この少年はそもそも知的障害児、あるいは、自閉症ではなかったかという説もありますが・・・。)

 このように、ある一定の期間に為すべきことをしなければ、終生身につけることが難しいものがあります。特に、幼少期の諸々の体験が重要と言われます。とりわけ、言葉の獲得に顕著に出ます。豊かな言葉を獲得するためには、やはり、家庭環境が大切です。  それは、赤ちゃんのときの両親のたゆまぬ言葉かけ、また、幼児になっての親子の楽しい会話、さらに好奇心旺盛な子どもからの問いかけに応答的に対応することがとても有効になります。絵本の読み聞かせ、語り聞かせなどは言うに及ばずです。お子さんとのコミュニケーション、幼い今だからこそ大切にしてくださいね。

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