子育て情報
お薬手帳も忘れずに
お子様が病気になったとき、けがをしたとき、お医者さんに診察してもらうために持参する書類として、健康保険証や小児(乳幼児等)医療証、母子手帳などが挙げられますが、ぜひ一緒に備えていただきたいのが、調剤薬局などで配布されている「お薬手帳」です。調剤薬局でお薬をもらうと、必ずシールが手渡されます。これは「お薬手帳」に貼るもので、そこにはお薬の名前やのみ方など今回もらったお薬に関する情報が記載されています。
お薬手帳については、薬局で勧められたからとりあえず持っているけど、いまいちメリットがわからない、なんて方は比較的多いのではないでしょうか。お薬手帳は、患者様と医療従事者とを繋ぐ有効なコミュニケーションツール。うまく使うことでお薬による健康被害を未然に防ぐことができます。
もしお薬手帳がなかったらどうでしょう。 「今のんでいるお薬は何ですか?」「どのお薬で副作用が出ましたか?」 などなど、覚えていなかったら、薬局やクリニックでお薬の相互作用、重複、用量をチェックしてもらう機会を逃してしまうことになりかねません。特に、小さいお子様はいろいろな診療科を受診しますし、体重もどんどん増えていきます。お薬の相互作用、重複、用量のチェックは欠かせません。
○お薬手帳でお薬の服用履歴をしっかり管理する。
○お薬手帳を医療従事者にみてもらう。
この2点を徹底するだけでも、万が一のことが起きる可能性はかなり少なくなるはずです。 のんでいるお薬がわかれば、いろいろなアドバイスも可能になりますし、そこに、このお薬で湿疹が出た、などのコメントが記載されていればより的確な治療につながります。 お薬手帳を上手に活用することで、お子様の健康をしっかり守ってあげましょう。
プロフィール
広井 嘉栄先生
東京理科大学薬学部、神戸大学大学院医学系研究科卒。
大学卒業後、バイオベンチャーにて遺伝子解析業務に携わる。その後、医療情報学分野へ進み、神戸大学医学部付属病院、先端医療振興財団、東京医科歯科大学特任助教を経て、現在は世田谷区にあるゆずき薬局の薬剤師として小児医療の現場に立ちながら、ITを使った新しい地域医療連携の仕組み「ファルモ」を開発、運用中である。