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親になったら、もう一度自転車を学ぼう!

 自転車に幼児を乗せたことのある保護者の11人に1人が、同乗している幼児にけがをさせた事故の経験がある、というデータをご存知ですか? そして、その事故の大半は自転車の転倒によるもので、けがの4割は頭や顔のけが(警視庁まとめの資料による)。一歩間違えると致命傷につながりかねないこれらの事故は、利用者が防止に対する意識と知識を持つことで減らすことができるものです。

 そもそも、自転車を三輪車やローラースケートなどと同じ、遊具の仲間と捉えている人は多いのではないでしょうか? 道路交通法上、自転車は車両の一種です。自動車の仲間であり、遊具でも、歩行者の仲間でもありません。車道通行が原則であり、左側通行というルールがあります。飲酒運転、信号無視、片手運転など、ルールを破れば様々な罰則があります。

 では、子どもにけがをさせることなく、楽しく安全に自転車を利用するには、どうすればよいでしょうか?ポイントはさまざまありますが、ここでは重要な3つをご紹介します。

 1つ目は、ヘルメットの着用です。皆さんはお子様にヘルメットを着用させていますか? 正しい着け方をご存知ですか?
  ヘルメットを正しく着用することで転倒時の頭部への衝撃は約1/15に減少するという検証データがあるほど、ヘルメットは大切な頭部を守る重要なアイテムです。忙しいから、子どもが嫌がるから、という理由で着用しない人もいるようですが、大事なお子様を守るためにも着用をお願いします。

 2つ目は、安全ルールを守ることです。冒頭にも述べましたが、自転車は車両の仲間です。交差点での信号遵守と一時停止、安全確認。歩道は歩行者優先であり、車道寄りを徐行しなければなりません。自転車のルールを知り、ぜひ守っていただきたいと思います。

 3つ目は、自転車に乗るときは、「大事な我が子の命を乗せている!」という意識を持つことです。家事、育児、仕事と忙しい保護者にとって、自転車は便利な移動手段であり、欠かすことのできない存在となりました。しかし、誤った走行やスピードの出しすぎというルール違反により、事故を起こす危険性があることも事実です。

 保護者や子どもがけがをするだけでなく、最近は、自転車が歩行者にぶつかってけがをさせる事故が急増しているそうです。自転車は時として走る凶器になりかねないことを意識して、利用していただきたいと思います。
  自転車は手軽で身近な乗り物です。しかし、たかが自転車だと思ってはいけません。親になったら、子どもを乗せることもありますし、成長したらほとんどの子どもが1人で自転車に乗るようになるでしょう。そのときのためにも、親としてもう一度自転車について考え、学んでほしいと思います。

 このような思いから今年5月、「おやこじてんしゃプロジェクト」を立ち上げました。ママがリーダーとなり、ママとパパのために「おやこじてんしゃ勉強会」を開催しています。安全な自転車の選び方、ルール、ヘルメットのかぶり方など、自転車についてともに考え、ともに学ぶ会です。関東、大阪を中心に無料で開催しています。学ぶことで守れる命があります。皆様のご参加をお待ちしています。
 親になったら、もう一度自転車を学びましょう。そして、親子が安全に楽しく自転車を利用できる世の中を一緒に目指しましょう。

プロフィール
北方 真起
東京都自転車安全利用推進計画協議会委員。潟pワーウーマンプラス代表取締役。ママとパパのための「おやこじてんしゃ勉強会」を各地で開催中。

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