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母乳語と離乳語 〜大切にしたい乳幼児期の言葉の育ち〜

 赤ちゃんは誕生後お母さんの母乳やミルクで育ちます。そして数ヶ月もすると普通食の移行準備として離乳食が始まりますよね。このような人として成長する大事な節目になぞらえて、言葉の獲得も「母乳語」「離乳語」の時期がとても大切であると、元お茶の水女子大学教授の外山滋比古さんが書いてある記事を読みました。

 母乳語とは、母乳を与える時期に、ごく頻繁に、しかも自然にお母さんが話しかけてあげることが赤ちゃんの成長に大きく影響するということで、こう名づけています。離乳語とは、母乳だけ与えていては、やがて栄養が不足するのと同じように、人間らしい言葉を獲得していくには、新しく学ばなければならない言葉があり、それらの言葉をこう名づけています。

 それでは、母乳語と離乳語はどこが違うのかということですが、母乳語は見たり、触ったりできるものの名前を中心として具体的なものが特徴です。これに対して離乳語は、目の前にない、昔のことや、遠くにあるもの、おとぎ話などといった抽象的な言葉です。この離乳語によって、子どもは物事を一般化してとらえたり、想像力をはたらかせて考えたりする力が育っていくのです。

 もうちょっと言いますと、理屈に合わない事柄も理屈抜きに言葉によって楽しめる能力もあわせて培っていくことです。その代表的なものが「おとぎ話」です。

 桃から赤ちゃんが生まれたり、助けたカメに乗せられて竜宮城にいったりするのは超現実的ですよね。もちろん、初めのうちは何が本当で何がありえないことなのかは区別できませんが、こういうお話を繰り返し聞くことで子どもはだんだん”離乳”していくのです。

 お母さんの教える母乳語と離乳語は、単に言葉の獲得のみならず考える力の養成にとても大切でなんです。さあ、今からどんどん話しかけたり、おとぎ話を語ってあげたりしてください。

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