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意外に難しい、生活習慣の自立

 最近、幼稚園の園長先生が嘆いていました。それは、幼稚園の3年保育年少クラスの入園式での光景です。前列のほうに子どもたちが、後ろにお父さん、お母さんが嬉しそうな、それでいて、ちょっぴり不安そうな表情で我が子を見守っています。園長先生が子どもたちの様子を見ると、ズボンのお尻が異様に膨らんでいる子どもが数人いました。そうです、まだ、オムツがとれていない子どもです。

 こうした光景は、ここ数年の現象ということです。オムツ外しは、あせることなく自然にまかせるほうが好ましい、という風潮があり、お母さん方の中にはそういった風潮にあやかる人もいるからでしょう、と園長先生は推察しています。

 オムツがとれるということだけでなく、衣服の着脱、洗面など日常の生活習慣の自立はやはり時期があり、いつまでも、そのままで自然に獲得させればよいというものでもありません。これらの生活習慣の自立は、それこそ何十回となく繰り返すことで身についてくるものです。従って、前述のオムツも何十回というトイレットトレーニングを繰り返すうちに排泄感覚を子ども自身が獲得し、オムツをわずらわしいように感じていくわけです。

 私たち大人は、子どもに「ああなってほしい、こうなってほしい」という思いを抱きながら子育てをしていきます。そこに楽しみや幸せを感じているのですが、実は、その基本になるのが、この生活習慣の自立です。自分で起きたり、歯をみがいたり、靴を履いたり、シャツを着たりするなど日常のいろいろなことが無意識にできてこそ、本来の遊びを楽しんだり、いろいろな社会的経験からのスキルを獲得していったりすることができるのです。

 しつけの基本は、「大人がやって見せて、次に親子で一緒にやって、そして、子どもにやらせて見る」この繰り返しです。子どもにとって、1回や2回で身につくものではありません。でも、親は何回かやって見せたのだから、できてくるのは当然と思いがちです。この落差が、落とし穴です。どうぞ、あせる必要はありませんが粘り強く、この乳幼児期だからこそ基本的生活習慣の自立を目指していただきますように・・・

池澤 純二

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