林太郎へ
茨城県古河(こが)市です。一面にカボチャ畑が広がっています。父ちゃんはここでカボチャが空を飛ぶのを見ました。
このお2人は、カボチャ農家の内田さんご夫婦。くに子さんは、パチリと茎にはさみを入れ、葉の下にかくれんぼしていたカボチャを取り上げます。次の瞬間、カボチャはふわりと宙を舞い、だんなさんの弘さんへ。弘さんはしっかりとそれをキャッチして一輪車に積んでいきます。ひょいっ、ひょいっ、と。次から次へ。
食べ物を投げるなんて、と思うかもしれないけれど、父ちゃんにはゆっくりと空を飛ぶカボチャが笑っているように見えました。林太郎も大好きなカボチャ、持って帰るからね。
1981年生まれ。1999年から、ネパールを舞台にドキュメンタリー写真を撮り続け、写真集やエッセイ、写真展などで発表。また、近年は世界各地にテーマを持ち、作品づくりを続けている。写真集に『大地の花―ネパール 人びとのくらしと祈り―』(東方出版)、『BANEPA―ネパール 邂逅の街―』(青弓社)、フォトエッセイに『だいすきなもの―ネパール・チャウコット村のこどもたち―』『ゴマの洋品店―ネパール・バネパの街から―』(ともに偕成社)などがある。2012年日本写真協会新人賞受賞。
©Gakken