子どもの足は日々成長しています。ぷよぷよの赤ちゃんの足は、少しずつ骨張ってきて、小学生のころまでには土踏まずができ、10代後半でようやく成人の足になります。しっかり体を支えられる丈夫な足を作るには、特に成長のスピードが速い乳幼児期に、成長に適した靴と健康的な生活が大切です。
足の成長を促すためには、まずは靴選びに注意しましょう。最近は、かかとに高さのある靴など、大人顔負けのデザインを重視した子ども靴も見られますが、子どもの足の成長に負担が掛かる場合もあります。子どもの足は、骨格も筋肉の付き方も大人とは異なります。足の骨格が形成されていないうちは、足に負担の掛かる靴はできるだけ避けたほうが安心です。
また、窮屈な靴を履いていると、汗がこもってしまい、水虫になりやすくなってしまいます。最近、子どもの水虫は、一年を通して多く見られます。靴はゆとりのあるサイズを選んで通気性をよくし、靴下を履いて汗を吸わせるようにしましょう。
では、靴を選ぶ際、具体的にどんなことに注意したらよいでしょうか。
〈靴選び7つのポイント〉
ポイント①
つま先に0.5~1cmの余裕がある。
ポイント②
かかとにフィットして、歩いたときに、ぱかぱかと脱げない。
ポイント③
マジックテープやひもなどで、甲の高さに合わせて調整できる。
ポイント④
足が曲がる位置と靴が曲がる位置がずれていない。
ポイント⑤
靴底が硬すぎず、適度に曲がる。
ポイント⑥
つま先が反り上がっていて、つまずきにくい。
ポイント⑦
普段履き、運動用、上履きなど、それぞれの用途に合った素材や形である。
子どもの足の成長は早く、3~6か月で1サイズ大きくなることもあります。特に、春から夏にかけて急速に成長することが多いので、できれば春と秋の年2回、足のサイズを測って、靴が小さくなっていないかどうかチェックしましょう。
足のサイズを測る際は、足長(かかとから、足の指のうちいちばん先になるところまでの長さ)と足囲(親指の付け根のいちばん出ている所と、小指の付け根のいちばん出ている所をぐるりと1周した長さ)を測ります。できれば左右の足を測って比べてみましょう。靴を選ぶときは、左右の足のうち、大きいほうのサイズに合わせて、足の実寸よりも0.5~1cmほど大きめの靴を選ぶようにしてください。
もちろん、足に合った靴を選ぶだけではなく、食事や運動で、足の骨や筋肉を強くすることも大事。栄養バランスのとれた食事を心掛け、外遊びや散歩などでたっぷりと運動をし、早寝早起きを心掛けましょう。そういった生活の基本も、丈夫な足を作ることにつながります。
これらのことを守ったうえで、もし歩行に関して心配なことがあったら、小児科で診察を受けましょう。「靴のサイズは合っているのに、頻繁に転ぶ」「ちゃんと歩ける年齢に達しているのに、線の上をまっすぐに歩けず上半身がふらつく」などといった場合は、なんらかの病気の可能性もあります。また、子どもがしょっちゅう足を痛がる場合も要注意。「成長痛*」と決め付けずに、念のため病院で骨の状態を確認してもらうといいでしょう。
*成長痛……成長期の子どもに起きる障害。主に夜間、膝関節などの下半身に痛みを感じますが、筋肉や関節、骨には異常がなく、翌朝には治ってしまうことが多いです。「成長痛」という名前から、骨の急激な成長に伴う痛みと思われがちですが、はっきりとした原因はわかっていません。
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