乳児から幼児までの食事、排泄、着脱衣の基本的生活習慣の獲得や挨拶、交通ルールといった社会性の獲得などは、お父さん、お母さんが繰り返し指導していけばたいがいの子どもは身についていきます。それに、幼稚園や保育所でも十分に指導してもらえます。
ですが、事の善悪の判断や友だちへの対応、あるいは、振る舞いといった高次のしつけについて、タイムリーにほめたり、逆に、冷静にかつ温かい態度で、きちんと注意したりすることは、実際のところきわめて難しいことです。ほめる、しかるといったことは、どうしても親の感情が必要以上に入ってしまうからでしょうね。そこで今回は、一般的なほめ方、しかり方の原則をご紹介しましょう。
(1)そのことだけをほめる、しかる
→「○○ちゃんは、何をやっても上手ね」といった何でもかんでもほめると、子どもは錯覚を起こし慢心します。
→ 「○○は、この間もいたずらしたな。そういえば、あの時も」といった過去に遡ってしかる。これでは、直そうという気持ちがうすれ、ふてくされてしまいます。
(2)人と比較しない
→「となりの○○ちゃんより、ずっと上手よ」といったほめ方は、妙な差別意識を助長します。
→「○○ちゃんよりだめじゃない」といったしかり方は、劣等意識を助長して、卑屈になってしまいかねません。
(3)物で釣らない
→「よくできたね。ご褒美にプラモデルを買ってあげるね」というように物で釣ると、褒賞を目当てにしかハッスルしなくなります。
→「だめじゃない、もう買ってあげないから」といった注意は、物がほしいから頑張るという意識をうえつけるだけです。参考にしてみてください。
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