子どもも2歳ころになりますと、おぼつかない様子ですが、ようやく自分が能動的にやってみたいことが出てきます。つまり、好奇心の芽生えですね。ご飯も自分でスプーンを使って食べようとしたり、靴も自分ではこうとしたり、パパの大事なステレオを勝手に操作したりするなど、本当に身近な物に挑戦をしていきます。
両親はそんな子どもの一挙手一投足に目を配り、危なくないかどうか見守っていますよね。そして、ときには手伝ってあげたりしながら子どもの日々の成長を嬉しく感じています。こうした赤ちゃんからの1,2年は、日々、新鮮な感動を味わいながら家族で過ごしています。
その子どもが4歳、5歳になってきますと、両親は子どもの行為に慣れてきますので新鮮な感情はやや薄れてきます。反対に、子どもの好奇心はますます盛んになってきます。多分、人生の中で最も好奇心旺盛な時期はこの幼児期でしょう。従って、この子どもの旺盛な好奇心と上手につきあうことで、子どもはぐんぐん伸びていきます。
子どもを伸ばすにはその子どもの好奇心を上手に利用し、ちょっぴり高度な課題を投げかけてあげることです。例えば、子どもとよく散歩をする家族であれば、お手製の近所の散歩マップを作り、意図的に距離を伸ばし実践します。そうすることで脚力や持久力をつけるとともに、いろいろな物を観察することで子どもの視野を広げます。
また、ジグソーパズル遊びの好きな子どもであれば段々パーツを増やし、より複雑なものに挑戦させたり、鉄棒の好きな子どもであれば、逆上がりに挑戦させたり、あるいは、昆虫の好きな子どもであれば、博物館で見た虫を帰ってから図鑑で調べさせたり、といった具合に子どもの好奇心を上手に活用することがポイントです。
子どもが興味を持たないものをやらせるのは苦痛以外のなにものでもありません。ですから親は自分の子どもが何に興味や関心をもっているか(この興味や関心はしばしば変わる)を察知することが大事でしょうね。そして、何よりも大切なのは、子どもにとって少しレベルの高いものにチャレンジさせることです。つまり、挑戦して、頑張ってできたという達成感を味わわせることなんです。それが、次へのステップにつながっていくのです。
©Gakken