ちょっと硬い表現になりますが、「ある学習が成立するために必要な学習者の準備が整っている状態」を言います。もう少し噛み砕いて言えば、「学習をする上で、その学習を理解するためには、ある程度の素地が必要」 だと言うことですね。
私たち大人は、これまでいろいろな経験を積んできています。従って、多様な知識が内蔵されていて、未知なる課題に出会ったときに、これまでの知識をもとに手段を模索し、課題を解決していくことができます。
子どもたちも同様です。過去の生活の中で経験して得たことをもとに、いろいろな学習に取り組んでいきます。例えば、跳び箱の学習に入るときは、この運動の前提となる心身の発達や基本的運動技能が必要です。また、割り算の学習に入るときは、足し算、引き算、かけ算の基本ができていることが必要となります。このような前段階の知識をしっかり身につけておくと、新しい分野に取り組むとき、おおいに役立つわけです。
幼児の頃の生活や遊びには、どれをとっても無駄というものはありません。経験した全てのことが、後の学校生活のいろいろな場面で力となっていくのです。従って、知・情・意がバランス良く成長できる好ましい環境を用意してあげることが大切になってきます。
あせって、年齢以上の高度なことにチャレンジさせても、「レディネス」どころか、理解することが難しく、かえって子どもの意欲低下につながりかねません。特に、乳幼児の頃は、その年齢にふさわしい経験を着実に積み重ねることが大事なのです。
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