「性格は変えられる」といえば、まさかそんなことあるわけないと思われるかもしれません。性格は、生まれつき持っているもの、と思われる方が多いでしょう。確かにそういう一面はあるでしょう。
ところで、英語で性格を表す言葉は「パーソナリティ(personality)」と言います。これはギリシャの仮面劇で使われるペルソナ(persona:仮面)というラテン語の言葉からきています。つまり、性格や人格の言葉の由来は「仮面」なのです。劇における仮面はいろいろな表情や特徴が与えられ、意図的にその登場人物の個性を象徴します。ということは拡大解釈をすれば、性格=仮面ということになりますよね。
現実に置き換えれば、日常の生活の中でも、人はそれぞれ性格を現す「仮面」をつけて暮らしている、ということになるでしょうか。だからといって、仮面をつけ替えれば性格が良くなるというものではありません。むしろ、人格を光らせるには人間の中身を磨くことが重要なのは当然ですよね。それには、周囲の環境というものが大きく影響してきます。
まずは、明るい家庭が基盤です。その上でわが子に『どうせああいう性格だからダメなんだわ』と決めつけないで、『こんな性格だったらよいのに、そのためにはどうすれば…』と前向きの方向で願いながら、親は、お子さんの表情がより生き生きと輝いていくお手伝いをしてあげられたら、何とすばらしいことでしょう。
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