「忘却とは忘れ去ることなり」とは、はるか昔のメロドラマの中の名せりふです。もう、ほとんどの方は知らないでしょうね。
人間は習ったことは時間の経過とともに忘れていく、というごく当たり前のことを研究した人にエビングハウスという学者がいます。かの有名な「エビングハウスの忘却曲線」です。無意味な綴りを誤りも躊躇もなく暗誦できるようになった後、時間の経過とともにその記憶の度合いがどうなっていくかを調査した結果です。
それによりますと、人はたった1日で約65%忘れ、1か月も経ちますと約80%も忘れてしまうのです。そんなばかなこと!と思われるでしょうが、本当の事です。もっとも、彼の実験は無意味な綴りの記憶ですから、被験者の興味とはリンクしていません。機械的に記憶するだけですから忘れやすいということは当然あるでしょう。
さて一方、ツアイという学者は迷路学習を素材に、手を使って作業するという実験をしました。すると、言語のみの学習より体感学習のほうがはるかに記憶把持のためには有効であることが分かりました。
人生のなかでは、忘れることも時として有用でしょうが、こと学習に関しては、いろいろな「知識」という記憶を頭の引き出しに整理しておくことが大切です。そのためには、
…が基本となります。子どもたちが、かるたやトランプ、また、形チップや積み木などいろいろな教材を使って遊ぶことは、実は、大変有意義な学習になっているといえましょう。
©Gakken