なんだか聞きなれない言葉ですね。初語というのは、赤ちゃんが最初に獲得する言葉で、普通は「マンマ」「パパ」「ウマウマ」といった言葉ですよね。これらの言葉は、自分の身の周りに常にいる人(通常、母親など)のことだったり、親からもらうミルクや食べ物だったりします。「アー」とか「ウー」とかの喃語(なんご)の時期を過ぎますと、この初語が出てきます。
最近では、近年その初語に異変があるというのです。どういうことかというと「ムカチムカチ(昔々)」「カイジュウ」や「モンモン(ドラエモンのこと)」といった言葉に変わりつつあるというのです。どうやらテレビなどの影響があるというのが結論のようです。
いくらテレビの影響があるとはいえ、「ウマウマ」や「パパ」という言葉が出ないとは、保護者とのコミュニケーションはどうなっているのでしょうか。どうも密接に行われているとは考えにくいようです。これでは、アタッチメント(愛着)形成にも問題が生じかねません。
「初語異変」が増えているということは、「赤ちゃんに話しかけても、どうせ赤ちゃんは理解できないから話かけない」と考える保護者が増えつつあるということです。これでは、赤ちゃんの初語は遅くなるばかりか、その後の言葉の獲得にも影響が大です。
赤ちゃんや幼児は今、絶え間ない語りかけが最も必要なときなのです。子どもにうるさがられるくらい、言葉のシャワーをあびせることが大切なのです。どうせ子どもが大きくなったら、話しかけてもほとんど聞かなくなるのですから、今のうちだけです。また、このほか絵本やお話しの豊富な読み聞かせも、子どもの言葉を豊かにする大切な教材であることもお忘れなく。
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