ちょっと耳慣れない言葉ですね。このハローエフェクトというのは、ある対象を評価する際、その対象の顕著な特徴に引っ張られて、他の特徴に対する評価がゆがめられる現象のことを言います。ハロー(halo)とは、「後光が差す」というときの後光のことで、そのことから「後光効果」とも言われています。
具体的な例をあげます。ある子どもが、「とても国語が良くできる」と評価されているとしましょう。事実本当に出来る子どもも勿論いますが、漢字の書き取りは良く出来るとか、お話しを良く読めるとか、作文が上手とかいうように、国語のある断面のことの場合が多いものです。しかし周囲の人は、そういった子どもは、きっと他のことも優れているだろうと思ってしまいがちです。それゆえに、国語全体についてよく出来ると思われてしまう、というわけです。
ハローエフェクトとはこのように、たとえば何か一つに秀でている人に対する評価が甘くなり、何もかも良く見える、といったような心理作用のことを指します。
客観的にみれば、算数や国語は出来るけど理科が苦手かもしれませんし、勉強はできるけれど性格はややわがままかもしれません。 そこで、幼児を持つ親が気をつけなくてはいけないことに、このハローエフェクトがあるのです。親はどうしても子どもに甘くなりがちで、我が子が一つ優れているものがあったとき、全面的に優れていると思い込んでしまいがちなことです。
自分の子どもを客観的に見ることはなかなか難しいのですが、強いて冷静に観察することも必要になります。頭はとてもよさそうだが、性格的にはどうかとか、記憶力はいいが、ちゃんと理解しているのだろうかとか、とても気は優しいけれど、友達とのコミュニケーションは取れているのだろうかなど、多面的に我が子をながめてみることもときには大事なことではないでしょうか。
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