応答的環境とは、一般的には、子どもが話しかけてくることに対して、保護者が愛情を込めて応える、または、子どもに対して優しく問いかけ、返ってくる子どもの言葉を受け止めるといった相互作用のある環境のことを言います。このようなコミュケ―ションは乳・幼児期は言うに及ばず、小・中高生になっても、とても大切な触れ合いです。
家庭において、子どもの問いかけに、面倒でわずらわしいからといって親が無視したり、「ああ、そう」「わかったわかった」などといったなげやりな言葉しか返さなかったりしたら、子どもも次の言葉に窮してしまいます。そんなやり取りが続けば、そのうちに子どもから話しかけることが少なくなってしまいます。
子どもは親が真剣に応えてくれることに対して、当然ながらとても嬉しく感じ、次から次へと話しかけてきます。その次から次へと切れ目なく話しかけてくることが親にとってはわずらわしくなるのでしょうか。しかし、それが子どもの、とりわけ幼児の特性なのです。ですから、親と言葉のピンポンを続けることで、子どもは親の愛情を感じ、心も満たされてくるのです。
子どもが成長して小学校の高学年や中・高生になってくると、親との会話が極端に少なくなります。あまつさえ、親の問いかけに返事もしなくなることも珍しくありません。自然な成り行きと言えばそうなのでしょうが、極端すぎると、正常なコミュニケーションができているとは言えませんね。やはり、乳・幼児期から親子がたっぷり会話を交わしていくことによって、子どもの情緒も安定するとともに、親子の温かいコミュニケーションが醸成され、大きくなっても自然に会話が楽しめるようになってくるのではないでしょうか。
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