ドイツの教育学者で幼児教育の祖と呼ばれています。フレーベルは、1782年に生まれました。今から230年以上前のことです。彼は、23歳の時に、初等教育の父と呼ばれるペスタロッチに深く共鳴し、彼のもとで2年間学びました。その後、ペスタロッチの思想を小学校以前の幼児教育に取り入れました。そして、幼児のための施設を作り、そこを幼稚園(Kindergarten)と呼んだのです。このキンダーガルテンは彼の造語で、その名前のように、施設には果樹園や花壇などを備え、遊びや生活体験を中心にすべきであると主張しました。
このフレーベルの考え方は日本の幼稚園を創立させるときのバックボーンになっており、今日、いろいろな考え方の幼稚園がありますが、ほとんどの園でこのフレーベルの考え方が浸透しています。
具体的には、情操豊かな教育をめざし、園庭には、花壇や砂場があり、室内には積み木などの遊具が用意されています。これら、日本の幼稚園で当たり前に見られるものも、実はフレーベルが提唱したものなのです。
特に、積み木の原型である恩物(おんぶつ)は、球や立方体などの数学的な原理の学習や生活の周囲にある物をそれで表現して遊ぶもので教育玩具の始まりとも言ってよいものです。そして、この遊具から、自発性を引き出したり、創造性を育てたり、科学性の基礎を養ったりしています。
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