転倒に誤飲、指挟み・・・。「赤ちゃんじゃないし、大丈夫」と思っていませんか?
1〜4歳児の死因で毎年ほぼ1位になるのが「不慮の事故」。中でも幼児にとって交通事故以上に多いのが、転倒、でき死、窒息など、身近な生活の場で起こる事故です。
子どもに「気を付けて」と呼び掛けるだけでは不十分。家庭内で起こる事故を防ぐためには、環境、子どもの行動や気持ちを変える必要があります。
環境から防ぐ
自宅に危険な場所はないか確認し、危険な物を取り除いたり、危険性が低くなるように工夫したりして、環境面を整えていきましょう。
など
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行動から防ぐ
「こうすると、こうなって危ないから気を 付けようね」などと、子どもの行動が危険であることと、その理由を具体的に伝えるようにしましょう。子どもが将来的に自分で考え、危険を回避していく力を身に付けるために必要です。また、例えば食事の場合、きちんと座ってよくかんで食べるといった、基本的な生活マナーを身に付けることも事故防止対策の一つです。
気持ちから防ぐ
本気で見守ってくれる人がいることは、「自分を大切にしよう!」という考えにつながります。自分のことを大切にできないと、注意が素直に聞けず、自ら危険な所に飛び込んで しまうなど、投げやりな行動をとってしまうこともあるかもしれません。わざわざ口に出して言うのは照れくさいかもしれませんが、だからこそ、普段から「○○ちゃん(くん)をとっても大切に思っているんだよ」ときちんと伝えてあげてください。そのことが、事故の回避にもつながっていくでしょう。
ちょっとした心掛けや物の選び方で、事故を根本から減らすことも大切です。
悪条件を減らして事故を減らす
例えば、床が滑りやすい、床にとがった物が落ちている、少しの間だから大丈夫だろうと子どもに留守番をさせる、など悪条件が一つ一つ重なることで、子どもが事故に遭う危険性は高くなります。で きるところから悪条件を一つずつ減らしていくことで事故の危険性を減らしてい きましょう。
新しい物を取り入れるときは、新しい危険性を考える
例えば、テレビは昔に比べ大きく、薄型になりましたが、それによって倒れやすくもなりました。また、近ごろよく見かけるようになった家庭用ウォーターサーバーは、熱湯が出るため、やけどをしてしまう可能性も考えられます。今まで使ったことのなかった新しい家具や家電などを購入する際は、置き場所や管理方法に危険はないかといったところも考えましょう。
「安全性」を考えた物選びを
企業や業界団体の取り組みからも、子どもの「不慮の事故」をなくそうという試みが広がっています。過去のさまざまな事故のデータを参考に、商品開発を行ったり、統一した安全性の規格を定めようとしたりする動きもあります。例えば、飲み込んだときにも窒息しないよう、通気孔の空いたキャップの付いたペンや、強い衝撃が加わると外れる、ひもの留め具、蒸気の出ない炊飯器など、子どもの事故を減らすための工夫がなされた商品が開発されています。物を選ぶときに、それらの子どもに優しいデザインを選んでみるのもよいでしょう。
●消費者庁「子ども安全メールfrom消費者庁」
https://www.caa.go.jp/kodomo/mail/
消費者庁のメール配信サービス。登録すると、毎週0歳〜就学前までの子どもの思わぬ事故を防ぐための注意喚起や、事故防止のための豆知識のメールが届きます。HPで過去の配信データを見ることもできます。
●消費者庁「リコール情報サイト」
https://www.recall.go.jp/
重大事故の原因となるような、リコール対象商品の回収・交換などの情報 が掲載されています。
●経済産業省・産総研「キッズデザインの輪」
https://www.kd-wa-meti.com/
事故予防コンテンツとして、起こりやすい事故が動画で紹介されてい ます。収集された過去の事故データをキーワード別に検索することも できます。
●東京消防庁「救急搬送データからみる乳幼児の事故」
https://www.tfd.metro.tokyo.jp/hp-seianka/baby/
落ちる、転ぶ、ぶつかるなど、事故の種類別や年齢別に、東京都で救急搬 送された乳幼児の事故の分析データを見ることができます。クイズ形式で 事故の危険性について考えるページもあります。
東京消防庁トップページ https://www.tfd.metro.tokyo.jp/