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特集:親子で楽しむ伝承遊び 伝承遊びは、親子や友達同士のかかわりを深め、子どもの健やかな成長を促します。親子でのんびりと楽しんでみませんか。 監修/小川清実(東京都市大学教授) 取材・文/長田真紀子 イラスト/ナシエ

触れ合って人間関係の基礎を学ぶ伝承遊び

最近の子どもは、おもちゃやゲーム機などでひとり遊びすることが多くなりがち。でも、大人や友達と、体を使って遊ぶおもしろさを体験すれば、すぐに夢中になります。そしてそのことは、子どもの発達にとてもよい影響があるのです。
 遊び歌のように、リズムに合わせて一緒に唱えたり、体に触れたりする遊びは、肌のぬくもりや同調していく心地よさを感じられるもの。そうやって「安心できる」と感じる体験を重ねることは、人間への信頼感をはぐくみ、子どもの健やかな成長につながります。
 また、けん玉やあやとり、お手玉のような手先を使う遊びでは、「上手にできるようになりたい」「もっと楽しく遊びたい」と一生懸命に取り組むことを通して、自然と集中力が育ちます。その力は、大きくなって、やりたいことに挑戦しようとするとき、必ず役に立つでしょう。

手を使って遊ぶ おせんべ焼けたかな

お・せ・ん・べ・や・け・た・か・な

昔ながらの手遊びは、みんなで声を合わせているだけで楽しい気持ちになれるもの。手と手を触れ合わせる心地よさも感じられます。ちょっとしたすきまの時間や、子どもが飽きてしまったときに、気を紛らわせるのにも役立ちます。

1

1人が親になり、みんなで輪になって手の甲を上に向けて両手を出す。

2

「お・せ・ん・べ・や・け・た・か・な」と言いながら、親がみんなの手を順番にタッチしていく。「な」のときにタッチされたら手を裏返す。親は隣の手から同じことを繰り返す。

3

裏返した手がもう一度「な」でタッチされたら手を引っ込める。親は引っ込んだ手を飛ばして、同じことを繰り返し、最後まで手が残った人が負け。

いっぽんばし

親子のスキンシップにもってこいの遊び。 最後の「こちょこちょこちょ〜」で思いっきりくすぐってあげると、子どもは「きゃーきゃー」と大喜びします。大きな子は、役割を交代してみても。

こちょこちょ わはは・・・
1 ♪いっぽんば〜し

人差し指で、てのひらに線を引く。

2 ♪こーちょこちょ

てのひらをくすぐる。

3 ♪たーたーいーて

てのひらを軽くたたく。
 

4 ♪つーねって

てのひらを軽くつねる。

5 ♪階段上って

人差し指と中指を足に見立てて、肩の方に向かって腕をとことこと上っていく。

6 ♪こちょこちょこちょ〜

両手で子どもを思いっきりくすぐる。

影絵

昔ながらの手遊びは、みんなで声を合わせているだけで楽しい気持ちになれるもの。手と手を触れ合わせる心地よさも感じられます。ちょっとしたすきまの時間や、子どもが飽てしまったときに、気を紛らわせるのにも役立ちます。

キツネ コンコン 親指、中指、薬指の先端をくっ付け、人差し指と小指をぴんと伸ばす。口をぱくぱくさせてみようワンワン うわ〜!
イヌ

左手を開いて人差し指から小指をそろえ、右手で左手を図のように握る。右手の親指と左手の親指を伸ばして耳を作り、左手の小指を口のように開いたり閉じたりする。

ハト パタパタ指を動かして羽ばたいてみよう
昔のおもちゃで遊ぶ お手玉

お手玉を握ったときのふんわりした感触や、中身のじゃらじゃらとこすれ合う音は、なんとも心地よく、懐かしい気持ちになるもの。投げ上げて受け止めるという単純な動作が、器用さや集中力をはぐくみます。

基本の遊び方
1

両手に1 つずつお手玉を持ち、右手のお手玉を左の手の方に高く上げる。

2

お手玉が空中にあるうちに、左手のお手玉を右手に移す。

3

空になった左手でお手玉をキャッチする。この動きを連続して行う。

<お馬の乗り換え>
1

お手玉を床に置く。右手で1つをつかんで投げ上げて、右手の甲でキャッチする。

2

右手の甲にお手玉を載せたまま、「♪お馬の〜」と言いながら、左手で別のお手玉を1つつかむ。

3

「♪乗り換え」と言いながら、左手でつかんだお手玉を投げ上げ、その間に右手の甲のお手玉を床に落として、投げ上げたお手玉を右手の甲でキャッチする。2〜3を繰り返す。

作ってみよう!お手玉の作り方 材料:布、縫い糸、小豆  道具:針
1

4.5cm×9cmの色違いの布を2枚ずつ用意する。

2

色違いの布を1枚ずつ、図のように中表で重ねる。Aの辺から左に向かって、縫い代3mmで並縫いをする(糸は切らずに3へ)。

3

次にBとBの辺を重ねて、Aの辺を縫った続きの糸で、同じように並縫いする。さらに、CとCの辺も重ねて同じように並縫いし、糸を玉どめして切る。

4

3の工程が終わると、図のような形の布になる。2つ目も同様に作る。

5

4を図のようにたたみ、中表に重ねて縫い合わせていく。まずはを合わせて、端から縫い代3mmで縫い進め(最初の一針は、返し縫いをする)、糸を切らないように、残りの辺も順に重ねて、小豆を入れる1辺(返し口)を残して縫う。

6

返し口から5を表に返す。返し口から小豆を入れる。

7

小豆を入れたら、返し口をまつり縫いで縫い合わせて完成。

   
紙鉄砲

新聞や大きめの紙で、すぐに作れる紙鉄砲。「昔よくやった!」という方も多いのではないでしょうか。見た目の割に大きな音が出るので、思いっきり鳴らすと子どもは大喜び! 大人も気分がすっきりします。親子で作って楽しく遊びましょう。

1

図のように、半分に折って中心に折り目をつける。中心線に合わせて四つ角を折る。

2

角と角を合わせて、半分に折る。さらに半分に折る。

3

図のように開く。裏返して反対も開く。

4

図のように半分に折る。

5

はじっこを持って振り下ろして鳴らす。
※人や物にぶつからないよう注意して遊びましょう。

おまけ 折り方を変えてみよう!

4の工程で図のように折ることで、2発銃(2箇所が開く)になります。2箇所開くので大きな音が鳴りますよ。ぜひ試してみて!