1枚の、正方形の布。
たったそれだけの“ ふろしき”ですが、アイディア次第で、使い道は無限大。サブバッグにもおもちゃにもなるから、バッグに1枚入れておけば、子育てママの強い味方になります。基本の結び方を覚えたら、さあ、どんどん活用しましょう!
監修/横山 功(ふろしきライフデザイナー)
構成・文/小菅由美子 イラスト/やまざきかおり
古くから日本人に親しまれてきた“ふろしき”。その魅力は、なんといってもシンプルな形と、変幻自在な機能性です。包む物に合わせて形を変え、使わないときには小さく畳むことができます。丈夫で、何度でも結びほどきができるのもうれしいですね。
最近では、エコでおしゃれなアイテムとして人気を集め、古典的な和柄だけでなく、明るい色合い、モダンな柄の物もたくさん見られるようになりました。お気に入りを1枚持ち歩けば、使うたびに心が浮き立ちます。
素材は、親子で使うなら、洗いやすい綿か麻がお勧め。使い勝手が分かってきたら、お好みでバリエーションを増やしていきましょう。
ふろしきで使う基本の結び方「真結び」。結び目が縦にならないように、正しく美しく結びましょう。使うときはほどけにくく、ほどくときはすっとほどくことができます。
ふろしきの端を2つ持つ。左を上にし、1回結ぶ
左を下にして、もう1回結ぶ
結び目の端を反対方向に倒して強く引っ張り、一直線になるようにする。
結び目をつまんで、引き抜く。
ふろしきには、一辺が45cmのバンダナサイズから2mを超える物まで、さまざまな大きさがあります。何種類かそろえ、包む物によって使い分けるといいですね。
中身にぴったりフィットさせたり、おしゃれのアクセントにしたり。
ここに紹介した物をマスターしたら、次はオリジナルバッグを考えてみませんか?
外出先でペットボトルを買ったときに大活躍!ベビーカーのフックに掛けておくのにも、ぴったり!
ふろしきの中央にペットボトルを置き、向こう側の2つの端をペットボトルの首に巻くようにして1回結ぶ。
結び目の先端を小さく真結びし、持ち手を作る。
手前に余っている部分をペットボトルにかぶせるようにし、左右の端を手前で交差させる。たるみが出ないよう、少しひねるのがコツ。
端をペットボトルの裏側に回し、中央で真結びする。
リュックを背負えば、いつもの道もちょっと違った気分で歩けそう! 結ぶ位置やふろしきの大きさを変えれば、子どもの成長に合わせることができます。
手前の2つの端を、左を上にして1回結び、先端を真結びする。
向きを変え、残りの2つの端を、今度は右を上にして1回結び、先端を真結びする。
2つの輪を肩ひもにして、背負う。
肩ひもがリュックの内側から出ている方(★)を上にして背負うと安定する。
口を引っ張ると大きく開くので、物の出し入れが簡単!
肩ひもの根元を引っ張れば、口を閉めることができる。
ふろしきで作ったきんちゃく袋は、急に荷物が増えたときのサブバッグとして、また、浴衣を着たときのバッグとしても、大活躍してくれます。
表にしたい面を中にして三角に畳み、左右の端をそれぞれ1回結ぶ。
表に返し、結び目を内側に入れ込む。
残りの2つの端を1回結ぶ。
結び目の先端を小さく真結びする。
ふろしきは、子どものおもちゃとしても優れ物!
いろいろな素材の物で作れば、手触りや質感の違いも楽しめます。
いろいろな形の物をふろしきで包みます。子どもは触ったり持ち上げたりして、中身を当てます。
帯状に畳んだふろしきをくるんと結べば、
かわいいウサギの出来上がり!
帯状に畳んだふろしきの先端を1回結んで、かま首に。絹のちりめん素材なら本物そっくり!
華やかな和柄は金魚にぴったり!
割りばしの先にひもを、ひもの先にゼムクリップを結び付ける。
ゼムクリップの先端を広げる。
割り箸を持ち、クリップを金魚にひっかける。
ふろしきを頭やすねに巻いたり、手甲(てっこう)にしたりして、忍者に変身!
三角に折ったふろしきの、上端2枚と左右の端をそれぞれ真結びし、下の輪に手を通し、上の輪に中指を入れる。
手首側の結び目を1回ねじり、輪の中に手をくぐらせる。
手首を覆うように形を整えて、完成!
*夏は虫除け、冬は手袋としても使えます。
ふろしきをひもで腰にとめたロンスカートでお姫様気分!胸当ては、女の子の水着と しても使えす。
ふろしきボールを使って、ペットボトルをピンに見立てたボウリング遊びやお手玉遊び。軟らかいから、小さな子どもでも安心です。
ふろしきを帯状に畳む。
真ん中で1回結ぶ。
結び目をひっくり返して、また真ん中で1回結ぶ。
(3)を繰り返し、最後に真結びする。
ステキな布を見つけたら、サッと裁ってダダッと縫って、ふろしきにしましょう!
バッグにしたり、ショールにしたり。エコでおしゃれなアイテムとして、大活躍してくれますよ。
ふろしきにする布を選びましょう。大きなものを作るならやや厚めの、小さなものを作るなら薄手の布を選ぶと、結びやすいふろしきができます。
細かい柄は小さなふろしき、大きな柄は大きなふろしきにすると、柄を生かしやすくなります。
断裁部分を折り込んで細く三折りにし、縫います。四辺を裁った場合は四辺とも縫って、完成。
大きさはお好みで。完成したときに、伸縮性の少ない縦幅が3%ほど長くなるようにします。横幅は売っているままを使うと、両サイドを縫う手間が省けます。
右の図は、110cm幅の布で、横110cm×縦113cmのふろしきを作る場合の裁ち方です。縫いしろは、上下にそれぞれ1cm取りました。
ペイントや刺し子などを施すのも楽しいものです。図柄は斜めにあしらうと、結んだときに見栄えがします。