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教育トピック

エンジェル係数

 『エンジェル係数』とは、民間の野村證券が1989年から隔年に、豊かさの指標として設定した指標で、「家計に占める子育ての費用の割合」を示す数字です。この費用とは、教育費だけではなく、衣料、食費、身の回りの用品、書籍、遊び、小遣い、保険料、預貯金など、子どもに関する総合的な費用を指します。

 この『エンジェル係数』は、収入に占める食費の割合を示す“エンゲル係数”になぞらえて作られています。エンゲル係数は、いくら年収が増えても食事にかける費用はさほど変わらないはずと想定し、係数が低ければ低いほど豊かである、という考えでした。これに対し、『エンジェル係数』は、割合が大きくなればなるほど豊かさが増す、と想定されています。

 野村證券の2007年の調査結果によりますと、『エンジェル係数』は、過去最低の26.2%になっています。この結果は、子どもの人数の減少や年収の二極化が主な原因であると分析しています。ちなみに一番高かった年は1993年の33.4%で、以降、年々減少しているようです。

 実際に年収別に見ますと、平均年収が含まれる500〜700万円の層では26.3%になっていますが、300万円未満の層では22.1%と平均値より低くなっています。

 この『エンジェル係数』のなかでも教育費に関する費用は、従来からの調査と変わらず、ほぼ横ばい状態になっています。このことは、子どもの食費や衣料を削ってでも、塾やおけいこごとは何とか続けてやらせたい、というせつない親の気持ちが現れているのではないでしょうか。

※この調査は、首都圏・京阪神に居住する高校生以下の子どもがいる世帯の20代以上の母親を対象にしたもので、有効回収数は700(首都圏350・京阪神350)。調査方法は郵送方式とのこと。

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