教育トピック
アダルトチルドレン(AC)
「アダルトチルドレン」とは、Adult Children of Dysfunctional Familyの略です。子どもの頃、肉体的・精神的苦痛につながる要因をもつ家庭環境で育ち、成人してからもそのトラウマによって、極端な形で、自分に自信が持てない、自分に批判的、嘘をついてしまうなどなど、人間関係を続ける上で不安定な部分を抱えながら、生きづらい生活を送っている人々のことを指します。ことばの響きから「大人になりきれない、子どもっぽい人たち」などという解釈をしてしまうのは大きな誤解なのです。
近年、前述のような要因が一見なさそうな家庭でも、子どもの方から「親の期待に応えなければ」とか「優等生として周囲の期待通りにしなければ」とか「親の言うとおりになるために、自分のやりたいことを我慢しなければ」と思うあまり、自分自身を苦しめているケースも多くなっているようです。これらもまた、「アダルトチルドレン」への予備要因といえるのではないでしょうか。
このことからもお分かりのように、幼少期の生活経験はとても大きな意味をもっています。
ここで一番強調しておきたいことは、以上から、子どもの環境として保護者の態度がいかに影響するかということです。何の問題もない家庭、過度に子どもに期待しない家庭、温かい笑顔の絶えない家庭の何と幸せなことでしょうか。
もちろん、保護者も人間です。なかなか理想どおりにはいかないもの。子どもとのコミュニケーションについては日々反省、という方が多いことでしょう。その反省が重要です。気づかないうちに、子どもが傷つくような言葉を浴びせていないか、過度なプレッシャーを与えていないか配慮してください。配慮が気づきにつながり、気づきが大人になっても平穏で安定した心の育成につながっていくのです。