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教育トピック

縦割り保育

 幼稚園や保育所では、一般的には同じ年齢の子どもたちでクラス編成をされます。そういったクラス編成以外に、年齢を超えた集団を編成して保育をする、いうなれば縦割り保育を実践している施設も少なくありません。

 通常のクラス編成においては、3歳児(年少児)は3歳のクラス、4歳児(年中児)は4歳児のクラス、5歳児(年長児)は5歳児のクラスですが、そういったクラス編成のほかに、3歳児数名、4歳児数名、5歳児数名のグループを作り、そのグループ単位で1週間のうち何日か一緒に活動するといった形態が多いようです。また、あまり多くはありませんが、完全縦割り保育(3〜5歳児、いずれも異年齢の混合で保育)といった施設もあります。

 この縦割り保育の導入には、メリット、デメリットがあります。メリットでいえば、上の子が下の子をかわいがるといった思いやりの気持ちを持つようになること、また、下の子は上の子にあこがれを持ち、大きくなったらそうなりたいと願い頑張る気持ちなどを持つことにあります。さらに、異年齢がまざることで、種々の活動で得意、不得意が生じた場合、年齢相応のことができなくてもコンプレックスを持たないで生活できるといった点もあります。デメリットでいえば、上の子にとって、活動が物足りなく感じてしまう、あるいは、下の子がついていけないといった点があります。

 最近は、一人っ子が増えてきてきょうだい関係の経験が希薄になってきています。また、一般の社会は同年齢の集団ではありません。年齢の違う人たちとの触れ合いを通じて、思いやり、尊敬、あるいは、慈しみなどの心を醸成することが大事になってきます。いずれにしても、通常クラスの編成に飽き足らず、実験的に縦割り保育を導入しようとする試みは、こういった感情の育成をしていくことで、少しでもよりよい保育をしようとする意欲の表れが大きいと思われます。

池澤 純二

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