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特集 工夫や声掛けで、やる気がアップ!ひとりでできる≠伸ばすコツ 監修/大澤洋美(品川区立平塚幼稚園園長) 板井典子(品川区立荏原西第二保育園園長) 構成・文/井上 幸  イラスト/浅野知子

幼児期の生活習慣の自立には、どのような働き掛けが大切なのでしょうか。排せつ、着脱、清潔の3つの自立につながる、声掛けや工夫、環境作りのヒントを紹介します。

生活習慣「自立」の目安

排せつ
2歳ごろ3歳ごろ4歳ごろ5歳ごろ6歳ごろ

★個人差はあるが、おむつからパンツへの移行が進む

★自分でトイレに行き、排せつをするようになるが、間に合わないことも多い

★排尿、排便後に自分でふこうとする

★パンツやズボンをすべて脱いでしまわずに排せつする

★トイレの正しい使い方を覚える

★トイレでの排せつから後始末まで、ほぼひとりでするようになる

★ひとりで排せつする

★マナーを守ってひとりで排せつする

着脱

★座ってパンツやズボンを脱いだり、はいたりする

★上着を脱いだり、着たりする

★靴を脱いだり、はいたりする

★立ったままパンツやズボンを脱いだり、はいたりする

★ボタンやスナップを留める

★衣服の前後が分かる

★裏返しの服を表に返す

★ほぼひとりで着脱する

★脱いだ服を畳む

★ひもを結ぼうとする

★服のひもを結んだり、ファスナーを開閉したりする

★身なりの乱れに自分で気付いて直す

清潔

★手を洗おうとする

★鼻をふいてもらうと、気持ちいいことが分かる

★使ったおもちゃを大人と一緒に片付けようとする

★手伝ってもらいながら、自分で鼻をかむ

★ルールにのっとった片付けができるようになる

★ひとりで鼻をかむ

★ひとりで手を洗い、タオルでふく

★自分で体をふく

★順番を考えるなど、工夫して片付けをする

★手で水をすくい、顔を洗う

★うがいや手洗いの必要性が分かって自分からやろうとする

※この表は目安です。発達には個人差があります。

焦らず見守り、やる気を引き出して

生活習慣を身に付けることは、社会生活を送るうえで大切なことです。しかし、いろいろなことを一度に身に付けさせようと思うと、親子ともに負担となります。
「思うようにはならない」「させようとしない」「失敗を丸ごと受け止める」という大らかな気持ちで向き合いましょう。
また、「○歳にはこれができないといけない」と決め付けて焦ったり、ほかの子と比べたりすることもやめましょう。基本は我が子、個人差は当然。できる・できないの凸凹があっていいのです。「これを教えよう」と思ったときには、子どもが少し頑張ればできるレベルを見極め、無理強いをしないこと。そして気持ちに寄り添いながら、保護者は常に
同じ意思を持ってかかわりましょう。「今日は面倒だから、手洗いはしなくてもいいや」では、子どもは戸惑ってしまいます。
また、できることをしっかり褒め、認めることも重要。やる気が生まれ、さまざまなことに挑戦したくなります。その思いを引き出せたら、余計な手助けをせずに、じっくりと見守ってあげることが大切です。

おきがえできた!

自立につながる働き掛け Q&A

2歳ごろから
Q:きちんと手を洗う習慣を身に付けてほしいのですが… A:手を洗う意味をしっかり伝えて

なぜ手を洗うのか分かることが、習慣が身に付く第一歩。声掛けで意味を伝えながら、環境を整えたり、援助をしたりしていきましょう。

きれいにしようね 専用のせっけん 専用のタオル 踏み台で高さを調整
声掛けのヒント

「手が汚いね、きれいにしようね」「きれいになると気持ちがいいよね」と手を洗うことの気持ちよさや大切さを伝えます。

環境作り

踏み台などを用意し、洗面台に届くようにします。子どもは「自分の物」が大好きなので、専用のせっけんやタオルを用意することも効果的。

2〜4歳ごろから
Q:どうすればひとりで着替えられるようになるの? A:まずは着やすい服を用意して

2歳ごろからは、なんでもやりたがる時期。気持ちをくんで、自分でできる状況を整えます。

台の高さは10〜15cmくらい
環境作り

ズボンやパンツを座ってはくときには、小さな台を用意してあげるとよいでしょう。立ってはくようにステップアップするときには、壁にもたれかかれるようにします。
 
 

星があるほうが前だね ゆったりしていて肩にボタン等がない 前に絵などがあると前後が分かりやすい
援助のポイント

上着はかぶるだけの物を用意し、前後の区別が分かるように教えます。目印がない場合は、背中のえり口などにマークを付けたり、サイズのタグを利用したりすることも便利です。

2〜4歳ごろから
Q:使った物を自分で片付けられるようにするには? A:必要な物を見極めることが大切

年齢に合ったおもちゃを程よい数だけ用意し、「大切な物」という気持ちを芽生えさせることが上手な片付けにつながります。

車はどこに片付けるのかな? ここ! 箱の中味が分かるイラストやマークを付ける 箱は色分けしても分かりやすい
環境作り

こまめにおもちゃの整理をして、数が増えすぎないようにします。半分だけ出してときどきおもちゃを入れ替えても。片付けの場所は1か所に決め、種類別の箱を用意することもお勧めします。

片付けたらおやつね やったー!がんばるぞー
声掛けのヒント1

3歳くらいまでは、片付けた後の見通しを先に教えます。見通しが分かると、片付けをしようという気持ちもわきます。

おじいちゃんにもらった大事な物でしょ
声掛けのヒント2

4歳くらいからは、「○○ちゃんのだからしまおうね」「○○君の大事な物だから、片付けようね」と物の大切さに気付かせるようにします。

3歳ごろから
Q:トイレでひとりで排せつができるようになるには? A:トイレの使い方を教え、見守りながら声掛けを

身長に合わせて環境を整え、使い方を教えたら、しばらくは最初から最後まで見守り、ときどきアドバイスをしながら進めます。

男の子 おしっこが上に行かないようによく見てね
(手順)
  1. ズボンとパンツをひざの下まで下ろす。
  2. 便器の前に立ち、おちんちんを指で下向きに支えて持つ。
  3. おちんちんを持って、しずくを振り切る。
  4. ズボンとパンツを上まで上げ、手を洗う。
援助・声掛けのヒント

しっかりおちんちんを指で持つことを教えます。同性がサポートするとコツが教えやすいことも。

女の子 シャツとスカートがぬれないように、おなかまで上げてね 最初のうちはトイレットペーパーは1回分ずつの長さに切って重ねておいても ※4歳ごろになったら、トイレットペーパーを自分で切り、畳んで使えるようにしていきます。
(手順)
  1. ズボンとパンツをひざの下まで下ろす。スカートはたくし上げる。

  2. 便座に深く腰掛ける。

  3. 利き手でトイレットペーパーを持ち、前から後ろにふく。
  4. ズボンとパンツを上まで上げ、手を洗う。
援助・声掛けのヒント

深く腰掛けて、おしっこが前に飛び散るのを防ぎます。服やスカートを持つことは、忘れがちなので声掛けを。

環境作り

補助便座を用意したり、ステップの高さを調節したりして使いやすい環境に。花などを飾り、明るい雰囲気を作るとトイレが楽しくなります。

知っていましたか?はしや鉛筆を持つ準備は1歳から始まります!

小学校入学前になると「そろそろ正しいはしや鉛筆の使い方を教えないと」と思う方は多いのではないでしょうか。しかし実際は、子どもがスプーンを持ち、自ら食事を口へ運び始めたときから、準備は始まっています。はしや鉛筆を正しく使うためには、手首の返しの動きを習得することが重要です。
また、ある程度重さのあるステンレスのスプーンを使うなどして、手首を強くしておくことも大切です。これらの準備を少しずつ重ねておくことで、はしへの移行がスムーズになるのです。

(1)スプーンで食べ物をすくって口に運ぶときの手首の返しが重要。(2)その後は、3本の指を折り畳んだこの形が基本となり、はしや鉛筆の動きへとつながります。(3)鉛筆を持つようになったら、より滑らかに手首を動かせるよう、なぞり遊びなどをしていきます。