運動会シーズンがやって来ました。最近は、外遊びの機会が少ないなどの理由で、子どもの体力が低下しているとの調査結果も出ています(文部科学省「体力・運動能力調査」)。
そこで今回は、親子で気軽に楽しめて、運動能力も伸ばせるじゃれっこ遊びを紹介します。
監修/谷口國博(創作あそび作家)
構成・文/小菅由美子 イラスト/設樂みな子
運動能力を伸ばすには、刺激に対して機敏に反応する反射神経が必要です。相手の動きを読みながら、体を素早くコントロールしましょう。
遊び方
2人で向かい合って立ち、お互いに左右どちらか動かす足を決めます。「よーいどん!」の合図で、子どもは大人の足の甲を踏もうとし、大人は踏まれないように足を動かします。
子どもも大人も、相手の動きを察知して、素早く足を動かさなければいけません。どちらも反射神経が鍛えられる遊びです。
遊び方
1.じゃんけんで勝ったほうが「あっち向いてほい」と上下左右のどこかを指さします。負けたほうは指と同じ方へ顔を向けます。
2.勝ったほうが続けてもう一度「ホイ!」と言ってどこかを指さし、負けたほうは今度は指と違う方へ顔を向けます。つられて同じ方を見てしまったら、負け。
「あっち向いてほい」の発展版。「ほい」の数を2回、3回と増やして難易度を上げてみましょう。掛け声に合わせると、つい相手の動きにつられてしまうもの。つられないようにすることで、反射神経を鍛えます。
遊び方
1.新聞紙7~8枚を丸めてテープで留め、剣を作ります。
2.言葉と動きをあらかじめ決めて、大人が剣を振り、子どもはそれをよけます。慣れてきたら、動きのパターンを増やしましょう。
「頭!」と言ったら、子どもの頭上で剣を横に振ります。子どもはしゃがんで剣をよけます。
「足!」と言ったら、足元で剣を横に振ります。子どもはジャンプして剣をよけます。
「肩!」と言ったら、剣を縦に振り、子どもは左右によけます。
「おなか!」と言ったら、剣を前に出し、子どもは後ろによけます。
耳で聞いた情報を瞬時に理解して、全身を動かします。剣を子どもに当てる必要はありません。子どもの運動能力に応じて、剣を振る速さを変えてみましょう。
バランス力は、同じ姿勢を保つのにも、転ばないように体を動かすのにも、重要な力です。バランスをとるには、体の軸を安定させなければいけません。
遊び方
2人で向かい合って両手をしっかりつなぎ、子どもが両足で大人の片足の甲に乗ります。大人は子どもを乗せた足を少し引き上げます。
不安定な場所でバランスをとることで、子どもは自然と体の重心をつかみ、バランス力を高めることができます。
遊び方
レベル1
大人はひざを立てて座り、子どもは大人のひざに胸を当てて寄り掛かります。子どもの両手を握ったら、大人はそのまま後ろに倒れて、ひざ下を宙に上げ、子どもの体を持ち上げます。バランスがとれたら、手を離します。
レベル2
大人はあおむけになります。足の裏を子どものおなかに当て、子どもの両手を握ったら、足を上に伸ばして子どもの体を持ち上げます。バランスがとれたら、ゆっくり手を離します。
慣れてきたら、空中遊泳を楽しむイメージで足を上下左右に動かし、さらにバランス力を高めましょう。
体の曲げ伸ばしをスムーズにする柔軟性を高めることで、しなやかに動ける体を作ります。
遊び方
大人は四つんばいになります。子どもは大人の体をくぐった後、背中に登って降ります。10秒で何回できるでしょうか?
「体を縮めて狭い所をくぐる」「体を伸ばして山を登る」を繰り返すことで、柔軟性がアップしていきます。
遊び方
1.足をそろえて向かい合わせに立ちます。じゃんけんをして、負けたほうが、両足のかかとを外に開きます。
2.じゃんけんを繰り返し、負けたら、かかと→つま先→かかと→つま先の順で足を開いていきます。足を開けなくなって、床に足の裏以外の部分を着いたほうが負けです。
足を大きく開くことで、股関節の柔軟性を高めます。負けたほうは罰ゲームとして、おしりを床に着けて足を開き、相手に背中を押してもらう開脚前屈をしましょう。
反射神経・バランス力・柔軟性を、総合的に発揮させて、思い切り体を動かしてみましょう。
遊び方
1.子どもはうつぶせで寝ます。大人は子どもから離れ、ふくらませたレジ袋を持ち上げます。
2.大人がレジ袋から手を離したら、子どもは起き上がってスタートダッシュ!レジ袋が床に落ちる前にキャッチします。
子どものレベルに応じて距離やレジ袋の高さを変え、少しずつ難易度を上げていきましょう。ゴールの先に布団を積むなど安全面に配慮し、思い切り体を動かせる環境を作るとよいでしょう。
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