子どもがなかなか歯磨きをしてくれない、と悩んでいる方も多いのでは?
その一方で、「むし歯になっても、乳歯は生え替わるし……」という思いがよぎってしまうのも事実です。
でも、乳歯のときに歯を丈夫にしておくことが、一生使う永久歯の健康につながるのです。
歯の表面は、2つの層(エナメル質と象牙質)に覆われており、その中に神経(歯髄)が入っています。 歯の表面(エナメル質)は、だ液のミネラル分を取り込みながら、少しずつ強くなっていきます。乳歯は 永久歯に比べて、表面の層が薄くて神経が大きいため、むし歯が進行しやすく、短期間で神経に達して重 症化しやすいのです。だからこそ歯磨きで清潔にしておくことが大切なのです。
「甘い物を食べるとむし歯になる」と思われがちですが、甘い物だけでむし歯になるわけではありません。食品中の糖分がえさになって、むし歯菌が増殖すると、ねばねばした巣である「歯こう(プラーク)」を作ります。その中でむし歯菌が酸を吐き出し、歯に穴を開けてしまうのです。
生え替わり前の乳歯がむし歯で抜けてしまうと、先に生えていた永久歯が空いたスペースに傾いてきてしまい、後から生えてくる永久歯のスペースが不足して、歯並びが悪くなります。歯並びが悪いと、磨き残しにつながり、むし歯を増やしてしまいます。
乳歯と永久歯を比べると、乳歯20本に対して、永久歯は28本(親知らず4本を除く)。歯の大きさは約1.2倍あります。あごの骨が小さいままだと、永久歯が入り切らず、歯並びが悪くなってしまいます。丈夫な乳歯でしっかりとかみ、あごの骨を十分育てておきましょう。
すでに乳歯が並び切っていないので、永久歯が生えると、さらに歯並びが悪くなる可能性が大きい。早めに歯科医に相談を。
歯と歯の間にすきまがないと、永久歯が生えるスペースがなくなってし まい、歯並びが悪くなる可能性が。
4〜5歳までに、歯と歯のすきまができるのが理想的。大きな永久歯が生えてきてもしっかり収まる。