子どもが9歳になるまでは、仕上げ磨きが必要。むし歯ができないよう、大人が手助けしましょう。
子どもの口は小さい上に、歯は複雑な形をしているので、上手に磨くには、次のようなポイントを押さえてください。
ブクブクとうがいができるようになったら、歯磨き剤を付けるようにしましょう。次のような物がお勧めです。
フッ素は歯のエナメル質を強くし、ごく初期のむし歯を修復する効果があります。適量を守り、正しく使えば体に悪影響を及ぼす心配は、まずありません。フッ素入り の歯磨き剤は、2歳までは切ったつめ程度の少量、3〜5歳では5ミリ以下が適量です。
大きすぎず小さすぎず、子どもの口にぴったり合った歯ブラシを選びましょう。
毛先の切り口が雑で鋭い物は歯肉を傷つけるので、毛先が滑らかに処理してある物を選びましょう。
※1か月程度を目安に、毛先が開いてきたら交換しましょう。
歯ブラシはぬらしません。歯磨き剤を付けすぎないように、チューブを上向きにして上から歯ブラシでちょんちょんと付け、毛の中に埋め込むように指でなじませます。
磨き残しのないように、スタートとゴールを決め、一筆書きの要領で、1本ずつ順番に磨いていきましょう。特に、奥歯は磨き残してむし歯になりやすいので気を付けて。奥歯は立体的なので、側面や隣の歯との境目もしっかり磨きましょう。
5〜6歳くらいの歯の生え替わり期になると、乳歯の歯並びのいちばん奥に、いわゆる「6 歳きゅう歯(第1大きゅう歯)」が生えてき ます。12歳ごろにその奥に生える第2大きゅ う歯と合わせ、重要な歯です。永久歯の奥 歯が数多く抜けてしまった人は、そうでない人より寿命が短くなっているという調査もあるほど。1年以上かけてゆっくりと生えてきて、生え始めは手前の乳歯より背が低いので、歯ブラシが届きにくく、むし歯になりやすい時期でもあります。5〜6歳になったら、「6歳きゅう歯が出てきたかな?」と声を掛けて意識を高め、生えてきたら、上記の磨く順番の前に、まず6歳きゅう歯から磨き始めるようにしましょう。
まずは「歯磨きの習慣を付ける」ことが目標。2歳ぐらいまでは、口に歯ブラシを入れただけでも「毎日磨いて偉いね」「上手だね」ととにかく褒めましょう。3〜4歳になったら、歯科医院で歯磨き指導をしてもらうといいでしょう。
きょうだいにお手本になってもらい、「○○ちゃんは歯磨きできて偉いね」と褒めると、「自分もできる!!」と競争心が芽生えます。また、親がぬいぐるみの歯を磨いてあげると、一緒に磨きたくなることも。
歯磨きの大切さを伝える絵本などを読んであげて、子どもが気づくのを待ちましょう。大人が「ほら、歯磨きしてるでしょ」と絵本を読みながら指摘するのではなく、子どもの意識が自然に歯磨きに向くようにしていきます。
歯ブラシをかんでしまって磨かせてくれない場合は、歯ブラシが人形などにかまれて痛がっている様子を演じて見せて、「○○ちゃん、かまれて痛いよ〜!」と子どもの手で助けてもらいます。歯ブラシの味方の気分になると、自然にかまないようになっていくでしょう。
2〜3歳の「いやいや期」にどうしても磨かせてくれないときは、焦らないこと。 無理強いすると歯磨きが嫌いになってしまうことも。時期がくれば、親の言うこ とを理解し、歯磨きの大切さを分かるようになります。歯医者さんに相談のうえ で、むし歯がなければ、短い時間でささっと磨いたり、キシリトールを利用する のもよいでしょう。むし歯ができてしまったときは、体を押さえてでもしっかり 磨いてあげましょう。