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特集 今度の休みは親子ハイキングへ行こう!

友達や周囲の人とかかわり合っていく力、「なかよし力」を採り上げます。
それは、子どもが将来、学校や社会で力を発揮し、伸び伸びと生きていくのに欠かせない、大切な力なのです。
監修/柴田愛子(「りんごの木」代表) 構成・文/小菅由美子 
イラスト/朝倉千夏

※本特集は、「おやこCANBook」連載ページ「親がはぐくむ12の子どもの潜在力」のなかよし力についての拡大版です。

「なかよし力」は豊かな人生の基盤!

 心と心がつながって気持ちが通じ合うのって、すてきなことですよね。
 友達と気持ちでつながり合い、心から信頼し合える関係を作ることは、自分を取り巻く社会を信頼することにつながります。困難に向き合う力や、新しいことにチャレンジする勇気も、そんな信頼感の上に育っていきます。人とつながり、信頼関係を築いていく力、「なかよし力」。それは、豊かな人生を過ごすための基盤と言えるのです。
 2〜6歳は、子どもたちが友達の存在に気づき、少しずつかかわりを深めて、世界を広げていく時期です。子どもたちの中にある「なかよし力」の種がぐんぐん育つように、上手に見守りましょう。

親子ではぐくむ「なかよし力」 日々の暮らしの中で「なかよし力」をはぐくむには、どんなことを意識したらよいのでしょうか。
なんでも言い合える雰囲気を

 子どものことを思うあまり、親が正論でばかり話していると、子どもは本音を言いにくくなってしまいます。ときには同じ目の高さでものを言い合える雰囲気も大事です。
 例えば、子どもが食べ物の好き嫌いをするときは、「マヨネーズを付ければ食べられる?」「今日はのりで巻いてみよう」など、親子でアイディアを出し合ってみてはどうでしょう。親子関係が、一方的に親の意見を押し付ける「縦のつながり」だけにならないようにしたいものです。

こんな声掛けはNG!

「食べないと大きくなれないよ!」

子どもの気持ちに共感して

 例えば、補助輪なし自転車に乗っている友達を見ると、「早くうちの子も!」と焦ってしまうのが親心。けれど、友達と比較したり、考えを否定したりせず、子どもの素直な驚きやあこがれの気持ちをそのまま受け止めて共感しましょう。子どもは「自分の気持ちを話してよかった! また話したい!」と感じるはずです。

こんな声掛けはNG!

「○○ちゃんも早く乗れるようにならないとね」

ときには親の弱い面も見せて

 4〜5歳ごろになると、親にも気持ちのむらがあることが分かってきます。頑張りすぎて疲れてしまったときは、子どもにきつく当たるよりも、正直に親の弱いところを見せてしまいましょう。子どもは親がそんな姿を見せてくれたことで、お互いに支え合う関係であることに気づき、信頼感が深まります。

 
友達とはぐくむ「なかよし力」 「なかよし力」は、友達との関係の中で大きく育っていきます。大人はどう見守り、かかわっていけばよいのでしょうか?
友達遊びの発達

子どもの社会性がどんな道筋をたどって発達するのか知っておきましょう。
発達のスピードや性格は一人一人違うので、個性に寄り添うことも大切です。

2歳ごろ 一人遊びから模倣へ

親や先生などの大人と1対1で遊ぶか、一人遊びが中心です。少しずつほかの子に興味を持ち始め、じっと観察したり、まねをしたりするようになります。

3歳ごろ 平行遊びで友達とかかわる

一緒にブロックで遊んでいても、それぞれが別々に遊んでいる「平行遊び」であることがほとんどです。それでも、近くで同じ遊びをすることで、相手を意識しています。

4歳ごろ 友達とつながりたい

友達とつながりを持ちたいという気持ちが膨らみ、自分なりに知恵を絞ってつながり方を見つけていきます。

5歳ごろ ルールのある遊びができる

子どもたちはぶつかり合いを繰り返す中で、相手の気持ちを思いやり、ルールに従って遊ぶことを学んでいきます。

見守りのポイント〜友達と仲良くできないときは〜

友達と仲良く遊べないときでも、子どもたちは「なかよし力」をはぐくんでいます。
大人はいつも仲良く遊ばせようと仕向けるのではなく、子どものペースを尊重して見守りましょう。

ケース1 おもちゃを譲り合えないときには

 2〜3歳ごろの子どもは、「すてき!」「ほしい!」「独り占めしたい!」という自分の気持ちでいっぱい! 相手の子にも同じ気持ちがあることを、まだ想像できません。譲り合えなくて当たり前なのです。でも、大人に代弁してもらうことで、気持ちがすっと落ち着きます。
 取り合ったり、泣いたり泣かれたりすることは、子どもにとってとても意味のあるコミュニケーション。そういった経験を重ねて、相手の気持ちを分かっていくようになっていきます。

こんな声掛けはNG!

「『貸して』って言わなきゃね」
「『どうぞ』でしょ?」

ケース2 友達の輪に入ろうとしないときは

 子どもは、ほかの子に興味を持ったとき、自分の安全地帯からじっと観察しています。それが何日も続くこともあります。そして、「もう我慢できない!」となったときに、初めの一歩を踏み出すのです。大人はその瞬間まで、子どもの安全地帯として、そばで見守りましょう。
 大人が仲介してしまうことは、子どもが「なかよし力」をはぐくむチャンスを奪ってしまうのと同じことです。

こんな声掛けはNG!

「ママも一緒に行ってあげようか?」

 
外へ出よう、みんなと遊ぼう!家族や身近な友達から、さらに世界を広げて、「なかよし力」をはぐくみましょう。
公園、自主保育など 地域に友達の輪を広げる

 降園後や休日など、定期的に公園に通っていると、自然に顔見知りができて、新しい友達関係が広がります。
また、保護者同士が自主的に集まり、遊びやイベントを定期的に企画する活動が、各地で盛んに行われています。地域の広報誌やインターネットなどで情報を集め、参加してみるのもいいですね。

新谷さん

まだ2歳なのですが、いつも行く公園で、仲良くなったお兄さん、お姉さんたちの輪に入れてもらっています。おままごとや水遊びなど、いろいろな遊びを楽しんでいます。

公共の子育て広場など いつもだれかがいる、遊びがある

 行政が運営する子育て支援センターや児童館では、親子で遊べるスペースが開放されていたり、休日にイベントが開催されていたりします。子どもの発達に合った魅力的なおもちゃで遊んだり、館員に新しい遊びを教わったりする中で、同年代の子どもたちと楽しく触れ合うことができます。

森さん

休日の児童館のイベントで、友達ができました! 
館の人が教えてくれる遊びを一緒に楽しみながら、自然に仲良くなれました。

習い事の教室など 目標を持って育ち合う

 最近は習い事の教室や幼児教室の種類が充実しています。親と離れて、同年齢や異年齢の友達と一緒に芸術やスポーツを楽しんだり、就学準備をしたりする中で、お互いに助け合い、上達を喜び合いながら、 かかわりを深めていくことができます。

田中さん

通っている英語教室では、子どもの発言をどんどん促してくれます。語学力も身に付きますが、普段友達と遊ぶときにも、自分の意見を言ったり、相手の話を聞いたりすることが上手になってきた気がします。

和田さん

絵画教室に通っています。みんなで一つの作品に取り組む中で、年の子から道具の使い方を教わったり、年下の子の片付けを手伝ったりと助け合いの関係が自然に生まれているようです。